先日相談があったお話です。
その家の長女(既婚57歳・会社経営・自宅あり・3人の子供がいる)
父85歳で他界、母80歳
自宅(土地:100坪・建物40坪)のほか、収益アパートを所有
収益アパートは年間300万円ほどの不動産収入がある。
実家の親とは30キロほど離れて住んでおり、生活の面倒を見ることはなかなかできない。
今回の父親の相続財産は、一切受け取る気持ちがなく、できることなら母親の生活費用・介護費用に充てるため全部譲ってもよい。
アパートの管理は、不動産業者にまかせており、借金もないため、ゆとりある生活ができるはず。
姉は会社も経営しており、金銭的に困ることはない。
ならば父親の財産は、母親がボケないうちに自分が全部受取、自宅の建て替え資金に充当したい。
自分は身体も弱く、時折病院通いもしているので、生活の不安を払しょくしたい。
皆さんならどう考えますか?
2次相続を考えるなら、相続時の登記名義は、自宅・アパートとも弟にするべきだと思います。しかし・・・弟には離婚した妻との間に子供がいるので、万一弟が母親より先に死亡した場合、確執のある離婚した妻の意見が反映されて、最悪母親の生活を脅かす可能性もあります。
法定相続による共有とした場合、姉の名義を入れることになり、姉が望む形にはなりません。
不動産のリアルアイは将来にわたる部分を考慮して提案しました。
結論は、全ての不動産は母親名義にする提案をさせていただきました。それと同時に今まで管理を不動産業者に一任していた部分を、弟に法人設立を呼び掛け、その法人で管理することに。
法人設立費用は、アパートの収益で得られたお金を原資とし、そのお金だけは弟に差し出し、残りは母親にすることに。
不動産相続は、その優先順位を考えて名義変更をしないと後でトラブルになることもあります。